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(社)日本茶業中央会編 茶・ダイジェストより

第1章 茶をもっと知ってほしい
茶の歴史
茶はどこから来たのか
茶は最初薬だった
茶受けの役目
■茶の産地
日本の茶と世界の茶
いろいろある茶の種類
全国の茶どころ
■茶ができるまで
茶の木の一生
新茶がおいしいワケ

茶の加工から流通まで
茶と農薬
第2章 毎日飲んで健康になる
茶の成分
茶の渋味は「カテキン」
茶にビタミンACE
食物繊維は茶でとる
「カフェイン」で疲労回復
虫歯予防に効果がある「フッ素」
いろいろな薬効がある「サボニン」
新陳代謝に欠かせない「ミネラル」
茶はノンカロリー・無糖飲料
■茶の効能
ガン予防最前線
茶でアレルギーを抑える
ダイエットには茶
茶で美人になる
老化防止には茶が一番
茶でコレステロールを下げる
糖尿病に効果をあげる茶
茶で食中寺を防止する
高血圧を下げる茶
茶で風邪にならない
茶でストレスに勝つ
飲み過ぎには茶が効く
スポーツ選手と茶
茶の字のつくことわざ
第3章 茶をおいしく飲む
■上手な選び方
茶の葉
お店
産地
用途
■茶と水
おいしい水とは
水をおいしくするには
茶器を選ぶ
■おいしい茶の入れ方
おいしく入れるには
飲み方によって効果が違う
■茶の保存方法
場所
容器
たくさんある茶製品
第4章 食べる・活用する
■茶の利用
食べることで栄養アップ
冷茶をつくろう
贈って喜ばれる茶
茶をまるごと活用する
茶にもマナー


茶の歴史

 茶は今や私たちの暮ちしにとって切っても切れない存在です。しかし,茶がどこで生まれてどのようにして伝わったかとなると,案外私たちは知らないようです。まず歴史から見てみましょう。トップ
●茶はどこから釆たのか
 もともと茶の木はわが国に自生していたという説もありますが,一般に中国から入ってきたと言われています。ただしその年代までははっきりしません。江戸時代の書物には,729年に宮廷で茶が飲まれていたことが記されており,このことから奈良時代にはすでに日本に伝わっていたことが推測されます。
 とはいっても,茶は当初から大変な貴重品で,宮廷人や京の貴族階級など限られた人の口にしかのぼらないものでした。それを武家社会にまで広め,さらに後に庶民の飲み物になるきっかけをつくったのは,鎌倉時代の臨済宗の開祖栄西です。
 栄西は禅宗を学ぶために中国の宋へ渡り,4年間の修行の後,数多くの経典とともに茶の種子を持ち帰りました。同時に抹茶法と呼ばれる宋の喫茶法,つまり茶の飲み方も持ち帰ったのです。栄西が日本で初めて茶を植えたとされるのは佐賀県東脊振村です。この地にある脊振山に「日本最初之茶樹栽培地」と刻まれた石碑が建っています。
 また,栄西から茶の種子を譲り受けた人に明恵上人という華厳宗の憎がいます。明恵上人はその種子を京都郊外の栂尾の地に播きました。これが日本第一の茶といわれる栂尾の茶の始まりです。ただし,この頃の茶は今の抹茶に近いものです。煎茶の登場はその後で,室町時代前期です。江戸時代に入ってからは煎茶が茶の中心になり,全国に広まるにつれて一般庶民の口にも入るようになりました。トップ
●茶は最初薬だった
 茶の発祥地は中国と言われています。陸羽の記した『茶経』という書物に,「茶の飲たる神農氏に発する」の一文があり,漢方医学の祖で中国古代の伝説的神である神農が野山を駆け巡り,薬効となる草木を探しているうちに茶を見つけ飲んだというのが茶の歴史の始まりとされています。また戦国時代に書かれた『神農本草』という本には,薬用としての茶の記録が初めて登場します。つまり,中国では茶は最初薬として飲まれていたのです。特に解毒用として使われていました。嗜好品として日常飲まれるようになったのは,宋の時代以降のことです。
 日本の場合,僧栄西によって茶が広まったとされていますが,栄西もその著書『喫茶養生記』の中で「茶は養生の仙薬なり」と記しています。仙薬とはいろいろな成分が入っていて,それが相乗作用して効果をあげるもののことで,栄西は「薬は,一つの病気にだけ効くもの,茶はいくつもの病気万病に効く,あるいは予防するもの。つまりは保健薬」の観点で茶の効能を説いています。その後,茶は嗜好品として定着しますが,近年に入ると再び健康食品として注目を集め,医学の分野でも効果が期待されるまでになっています。トップ
●茶受けの役目
 茶に茶受けはつきものですが,関東では雑菓子,関西では生菓子がその代表的な茶受けとされています。茶受けにはこれといった決まりはありません。せんべいや漬物のような辛いものでも良く,実際に好まれていますが,普通は茶受けと言って真っ先に浮かぶのは砂糖の入った甘い菓子,特に和菓子でしょう。
 和菓子が茶受けとして用いられるようになったのは,砂糖がわが国に入ってきてからのことで,近世以降です。それまではたとえば千利休の初期の茶会を見ても,茶受けにはカヤ,クリ,クモタコなどの木の実が使われ,甘い菓子ではありませんでした。
 当初砂糖は大変貴重な輸入品で,その市場を牛耳っていたのはポルトガルです。砂糖はポルトガル人の手によって世界に広まり,その結果世界中の味覚の基準が辛さから甘さへと画期的な変化を遂げました。そこで茶受けも甘い菓子へと移り,和菓子が発展するのです。
 しかし面白いことに,同じようにポルトガルから砂糖が伝わったイギリスでの茶の飲み方を見ると,直接砂糖を茶に混ぜ入れ茶受けを用いることはありません。同じ経路で伝わった砂糖でも,こと茶との関係ではわが国と西洋とではまったく別の形をとったのです。
 ところで茶受けは単に茶の味を引き立てるだけではなく,他にも大事な役目があります。茶には茶カテキンやカフェインといった胃を刺激する成分が含まれるため,茶受けを先に口に入れることで,これらの成分の胃への刺激をやわらげるのです。お腹がすいた時にはブラックコーヒーでなく,ミルクや砂糖を入れて飲むほうが胃にいいと言われるのと同じです。
 茶受けは胃をいたわるための先人が生んだ知恵とも言えましょう。トップ


茶の産地

 茶という飲み物は世界中に存在し,その国その国で人々に愛され飲まれています。いったい茶はどのようにして世界中に広がっていったのでしょうか。また茶にはどのような種類があるのでしょうか。トップ
●日本の茶と世界の茶
 日本へは茶は中国から伝わりましたが,世界の他の国々にも茶は中国から伝わっていきました。陸づたいでモンゴルやチベットヘ,また海づたいでヨーロッパに運ばれたのです。しかし,茶がヨーロッパに伝わるのは大航海時代に入る16世紀になってからです。この頃,中国との交易を独占していたのはポルトガルです。ポルトガルは香港を植民地にし,マカオを基地として茶を本国こ送りました。17世紀に入ると,ポルトガルに代わってアジア交易の覇権を握ったオランダによって,中国の茶がイギリスにも輸出されるようになりました。こうして茶は世界中に広まっていったのです。
 しかし,世界の隅々にまで普及したのは今世紀に入ってからです。生産国も19世紀初頭には中国だけだったのが,同世紀の半ばにはインドとセイロンに拡がり,さらに現在ではアフリカや南米でも茶は生産されています。1992年の統計によると,世界の茶の生産景は247万トンで,その内緑茶は20%強の57万トン,ウーロン茶は約10市トン,紅茶は約180万トンとなっています。トップ
●いろいろある茶の種類
 茶には大別して緑茶,ウーロン茶,紅茶の3種類がありますが,その違いは加工方法にあります。つまり加工の仕方が違うだけで元は同じ茶の菓(つばき科の植物)からできるのです。したがって,茶の木から作られない茶は茶ではありません。
 茶は製法により,不発酵茶,半発酵茶,発酵茶となります。不発酵茶は茶の葉の酸化酵素の働きを止めて加工したもので,その代表が緑茶です。日本の茶もここに入ります。酵素をある程度活用して加工するのが半発酵茶で,代表はウーロン茶。さらに酸化酵素を最大限に活用して加工するのが発酵茶で,その代表が紅茶です。また緑茶もいろいろな種類に分かれます。煎茶,玉露,かぶせ茶,番茶,玉緑茶,碾茶,抹茶,焙じ茶,玄米茶などです。
《煎 茶》
日本で生産される80%を占めます。新葉を蒸して揉み乾燥させたもので,うま味と香りがあり,産地によっていろいろな特色があります。
《深むし茶》
製法は煎茶と同じですが,茶の芽葉を煎茶の製造より2〜3倍多い蒸気量で蒸してつくった茶です。
《かぶせ茶》
藁やカンレイシャなどで茶園を覆って育てた,玉露に次ぐ高級な茶です。
《玉 露》
新芽が伸び出した頃よしず棚などで茶園を覆い,直射日光が当たらないようにして栽培した菓でつくった高級茶です。
《碾 茶》
玉露と同様,新芽の頃に覆いをして栽培し蒸したものを揉まないでつくります。
《抹 茶》
碾茶を茶臼で挽いて粉にしたものです。
《玉緑茶》
鉄製の釜で茶葉を炒って仕上げた茶です。
《番 茶》
新薬が伸びて硬くなった新芽や茎などを原料にしてつくったものです。
《焙じ茶》
番茶や茎茶を強火で炒ってつくった,香ばしさが特徴の茶です。
《玄米茶》
番茶に炒った玄米を混ぜた茶で香ばしい香りがしま      す。トップ
●全国の茶どころ
 茶は新潟県の村上市と茨城県の太子町を北限の栽培地として全国でつくられています。代表的な茶とその特徽を挙げてみましょう。
新潟県(村上茶) 
茶の経済的栽培の北限として知られている。
茨城県(奥久慈茶・猿島茶)
奥久慈茶は山間地栽培特有の色沢の良さと香気が,猿島茶はほどよい滋味と水色の濃いのが特徴。
埼玉県(狭山茶
狭山地方が産地で火香という特有の香気があって,渋味の中にも甘味の強いことで全国にその名を知られる。
東京都(狭山茶)
東京と埼玉の県境でつくられ埼玉県の狭山茶と同じく狭山茶として売られる。
神奈川県(足柄茶)
足柄地方は良質茶の生産条件に適した土地であるため,香りと風味が良い。
山梨県(南部茶)
南アルプス山麓で栽培され,柔らかい舌ざわりと香り高い風味が特徴。
静岡県(静岡茶)
わが回の茶の生産量の半分を占める日本一の産地。品質の良さと豊富さで全図に知られる。県中央部の牧之原台地を始めとして,富士山麓,安倍川,大井川,天竜川,太田川流域でそれぞれ特色のある生産が行われている。探むし茶の主産地でもある。
岐阜県(美濃茶)
香気と甘味の強さには定評がある。西のいび茶,東の白川茶が有名。
愛知県(西尾茶・新城茶
西尾市・吉良町は碾茶の生産高全国一を誇る。
三重(伊勢茶)
煎茶を主体とし,北勢はかぶせ茶,南勢は深むし茶を主に生産。
滋賀県(近江茶)
高級煎茶が中心。中でも信楽町の朝宮茶は香気の高い茶として有名。
京都府(宇治茶)
明恵上人が宇治の地に茶の種子を播いたことに始まる歴史的産地。玉露,碾茶の生産量が高いことで知られる。
兵庫県(丹波茶・母子茶
栄西以来の古い歴史をもつ。
奈良県(大和茶
産地は大和高原一帯の山間地で良質茶の生産に適している。
和歌山県(紀和茶)
県南部の温暖な土地で良質茶を生産。
島根県(島根茶)
中国四国地域では高知県に次ぐ生産高。島根の茶は「煎が効く」といわれ、二番・三番煎じでも美味しくいただけます。深い甘みの中でほのかに感じる苦み、さらにのどごしのまろやかさが旨みをひきたてています。特にお勧めは番茶。伯太町の伯太番茶、平田市の唐川番茶は風土が作った逸品です。
岡山県(岡出茶)
江戸時代産業振興のために栽培したのが最初。美作番茶も有名。
山口県(山口茶)
明治時代,防長茶として全国に名を広める。
徳島県(阿波茶)
冷涼な山間急傾斜地で栽培され,味と香りが特徴。天日乾操で仕上げた相生番茶がある。
香川県(香川茶)
高松藩主が茶会で使用するための茶園を造ったのが起こりとされる。県南西部の山間丘陵地が産地。
高知県(土佐茶)
早期出荷と品質の良さに定評がある。仁淀川流域が産地。
愛媛県(愛媛茶)
ヤマチヤの自生地で知られる中国山脈の山村,新宮村等が産地。
福岡県(八女茶)
八女を中心とする産地。玉露の生産高全国一。
大分県(大分茶)
杵築市,日田市,耶馬渓町など地域を生かしてつくられる。
佐賀県(嬉野茶)
栄西禅師が背振山麓に茶の種子を播いたのが始まりとされる。嬉野を中心とする産地で,6割以上が玉緑茶で,そのほとんどが蒸し製。
長崎県(彼杵茶)
東彼杵を中心とし,蒸し製玉露茶が全体の8割を占める。
熊本県(熊本茶
産地は九州山脈の深山渓谷から球磨盆地につながる地域。煎茶,玉緑茶が生産量を2分する。
宮崎県(宮崎茶
北西部山間地ではかま炒り製玉緑茶が,霧島盆地では特有な気象を生かした良質茶を生産。また,平坦地では大型機械化栽培も進められている。
鹿児島県(鹿児島茶)
静岡県に次いで第2位の生産高を誇る。北は霧島山麓の牧園周辺から大隅半島,薩摩半島と全県的に生産されるが,知覧,頴娃を中心とする平坦茶園では大型機械化栽培が進められている。トップ


茶ができるまで

 今では,昔のような手による茶摘みはかなり少なくなり,栽培も加工も機械化されました。しかし,おいしい茶をつくろうという作り手の気持ちだけは昔も今も変わりません。トップ
●茶の木の一生
 茶は植物学的に分類するとツバキ科に展し,葉も花も他のツバキ科のものとよく似ています。茶を栽培する畑は茶園と言います。茶園をつくるには各産地に応じた栽培基準というものがありますが,まず植物が大地の栄養を十分とれるように深く耕します。そして有機物をたっぷり施した後,一本づつさし木で育てた苗を10アールあたり2500本から3000本植えます。初めは幼木園といって,丹精を込めて肥料を施したり病害虫を防いだりして育てます。収穫ができるょうになるのは苗を植えて4年目頃からで,標準的な収穫量を得られるのは7年目から10年目くらいです。同時にこの時期は力のある茶と言われ,いい茶がとれます。10年目を過ぎると茶の木は壮年期を迎えます。その後も生産は続けますが,栽培や管理方法には樹齢に応じた工夫がこらされます。18年目から20年目を過ぎると生産力も落ち,そろそろ植え替えの時期に入ります。トップ
●新茶がおいしいワケ
 夏も近づく八十八夜 あれにみえるは茶摘みじやないか 茜だすきに菅の笠
 これは茶摘みの様子を歌ったものですが,今ではほとんどが機械摘みに変わっています。ただし,変わらないのは茶を摘む時期です。日本は南北に長いので場所によって異なりますが,五月の八十八夜の頃に摘むのは同じで,この頃に摘まれた茶は春の息吹を含んだもっとも香味豊かな茶とされ,新茶として人気を集めています。
 八十八夜の頃の茶がおいしいわけは,一芯二葉といって2枚の若葉のついた新芽の先端だけを摘んでつくられるからです。この頃摘まれた茶の薬はその新鮮な柔らかさといい,最上級の茶を生み出します。ただ,気温も上がり成長も進むと,一芯三葉といってもう少し成育した薬もいっしょに摘むようになります。
 茶は生命力の強い木で,だからそれから採れる葉も人間の体に良いと言われるのですが,葉を一度摘んでもまた新たに新芽が伸びてきます。そのため年に2〜4回の収穫が可能です。八十八夜の頃に摘まれる一番茶から始まって,二番茶,三番茶,四番茶と続きます。ただし,葉は気温が上がり日射しが強くなる気候になると硬くなってきます。そのためあとで摘まれる茶ほど品質が低下するのは否めません。また番茶と呼ばれる茶は,普通各番茶の間でとれたものをさします。トップ
●茶の加工から流通まで
 
四月の中・下旬から五月にかけて茶園で摘まれた茶の葉は,最初荒茶工場へ運ばれます。荒茶工場は最近ではオートメーション化されたかなり大型の工場で,茶も食品であることから衝生的に管理されています。加工の工程は摘まれた葉の「蒸し」に始まり,いくつかの「揉む」工程の後に「乾燥を経てできあがり,荒茶と呼ばれます。
つみ取り
茶の菓は手痛み,茶摘梯などで摘みとられ,茶工場へ運ばれま↓
蒸し
茶の薬を蒸気で蒸します。

冷却
茶の菓の表面の水分をとり除きながら冷やします。

粗揉
粗揉機に入れ,熱風で揉みながら乾かします。

揉捻
茶の菓に力を加えて,水分の均一をはかりながら揉みます。

中揉
茶の葉を再び熱風で揉みながら監かします。

精揉
茶の葉に熱と力を加え,形を整えながら乾かします。

乾燥
茶を十分監かします

こうしてできた荒茶は仕上げ工場に送られます。

選別
荒茶は形が大小さまざまな状態で混じりあっているので,ふるい分けたり切断したりしてきれいに形を整えます。

乾燥
茶をさらによく乾燥させると同時に独特の茶の香りや味を引き出します。

包装
仕上がった茶を計量して茶箱や袋に詰めます。
 こうしてできあがった茶は「仕上げ茶」といい,一般消費者に飲んでいただけるように揃えた茶です。茶は最近消費者に直接,産地直送や通信販売で売られるものもありますが,そのほとんどは産地の問屋から全国各地の小売店やスーパーマーケット,デパートに輸送され,店頭に並びます。なお,わが国の緑茶の年間消費量は約96000トン(平成5年度)で,1人につき年間約770g(約300杯)の茶を飲んでいることになります。トップ
●茶と農薬
 茶と農薬について心配する人がいます。確かに・農薬をまったく使わずに茶をつくることができたら,それにこしたことはないでしかし,茶は病害虫におかされやすく,いったんおかされると良い茶がつくれないだけでなく,木が育たなくなります。ですから病害虫から茶を守るために農薬は必要です。そこで問題となるのが農薬そのものの安全性です。農薬に関連する法律は,農薬取締法だけでなく,水貿汚濁防止法,食品衛生法,土壌汚染防止法などがあり,農薬を作る方も使用する方もこれらをすべてクリアーしなければなりません。したがって,茶の生産にあたっては安全基準を十分満たした農薬が適正に使用されています。どうか安心してお飲みください。トップ


茶の成分

 茶には主要なビタミンはもちろんのこと,他の食品では得にくい貴重な成分がたくさん含まれています。それらが相乗的に働いて健康増進に大いに力を発揮します。トップ
●茶の渋味は「カテキン」
 コーヒーや紅茶のほろ苦さと同じように,茶の特色といえば渋味です。渋味をつくっているのはカテキンという成分で,従来タンニンという言葉で呼ばれていました。正確にはカテキンはタンニンの一種です。茶に含まれるのはカテキン,エピカテキン,ガロカテキン,エピガロカテキン,エピカテキンガレート,エピガロカテキンガレートの6種類で,茶の成分全体の8〜15%を占めます。また,お湯を注いだ時に1杯の湯飲みに溶け出すカテキンの量は70〜120mgで,これが茶にほどよい渋味をもたらします。トップ
●茶にビタミンACE
 案外知られていないのですが,茶にはビタミン類が豊富です。ビタミンAそのものはなくても,体内に入るとビタミンAと同じ鋤きをするカロチンがニンジンの10倍近くも含まれます。これはガンに対して抵抗性が強いと最近話題になっているものです。またビタミンCは特に豊富で,ホウレン草の3倍近くも含まれます。さらに老化防止に効果のあるビタミンEも多く,まさにビタミンのエース(ACE)が揃っているのが茶なのです。他にビタミンB群,P,Uなどもたくさん入っています。 ただし,ビタミンB群とCは水溶性なので浸出液に溶け出しても,ビタミンA(カロチン)やEなどは脂溶性のためにお場に溶け出しません。せっかく豊富なこれらのビタミンは葉に残ったままになるので,なんとか葉のまま食べる工夫をしたいものです。トップ
●食物械維は茶でとる
 近年大腸ガンの予防に効果があるとして注目されているのが食物繊維です。茶にはこの食物繊維が平均12%含まれます。ただし,食物繊維には水に溶け山すものと溶け出さないものと2種類あって,茶には溶け出さないもののほうが多いのが実情です。しかし抹茶は別で,葉をそのまま粉末にしたものですから,それを湯に溶かして飲むことで食物繊維をそっくりとることができます。トップ
●「カフェイン」で疲労回復
 カフェインというと真っ先にコーヒーの名が挙がりますが,茶にもコーーヒーに負けないだけのカフェインが入っています。コーヒー1杯分に含まれるカフェインの量は80〜120mgですが,茶1杯分にも15〜100mgのカフェインが入っています。カフェインには疲労回復,覚醒効果,大脳刺激,強心作用,利尿作用などのすぐれた鋤きがあります。またカフェインは茶の苦味をもつくりだしています。トップ
●虫歯予防に効果がある「フッ素」
 フッ素人り歯みがきとわざわざ銘うつ歯みがきがあるように,フッ素には虫歯を予防する効果があります。歯の表面を強くし,虫歯にならないための抵抗力をつけます。そのフッ素が茶には入っています。そこで日頃から茶を飲むことでフッ素によって虫歯になりにくい丈夫な歯をつくり,また同時に,同様に含まれたカテキンによって虫歯のもとになる細菌の増殖と,歯垢ができるのを防止します。トップ
●いろいろな薬効がある「サポニン」
 茶には,朝鮮人参や柴胡などの漢方薬の主成分として知られるサボニンが含まれています。ザポニンはこれらの薬効の主体をなす成分で,朝鮮人参の場合だと,鎮静,鎮痛, インシュリン作用, 中枢神経興奮作用,抗疲労作用,精力増強作用,脂質低下作用,強心作用,血栓予防作用などがあります。また,柴胡の場合だと特に炎症性疾患に効果的と言われています。茶には約0.1%のザポニンが含まれており,栄養の宝庫である納豆に含まれる割合と同じです。トップ
●新陳代謝に欠かせない「ミネラル」
 新陳代謝が円滑に行われるのに必要な栄養素と言えばミネラルです。そのミネラルが茶には多く含まれます。中でもカリウムが豊富で,ミネラル全体の半分を占めます。またカルシウムも多く,マンガン,ナトリウムなどがこれらに続きます。
 ミネラルはまた,血液のアルカリ性を保つために重要な栄養素で,その点ミネラルを豊富に含む茶は野菜や果物同様すぐれたアルカリ性食品と言えます。トップ
●茶はノンカロリー・無糖飲料
 ダイエットを試みている人にとって,口に入れるもので一番心配なのがカロリーの高さです。ところが茶は嬉しいことにほとんどノンカロリーといっていい飲料です。しかも,飲む時には砂糖もミルクも入れません。コーヒーや紅茶とはこの点が大きく違います。茶が理想的なダイエット飲料といわれるゆえんです。トップ


茶の効能

 豊富な栄養素を含んでいるにもかかわらず,効き目については案外知られていないのがお茶ではないでしょうか。しかし,お茶にはびっくりするほど多くのすぐれた働きがあるのです。トップ
●ガン予防最前線
 ガン予防や抑制には未だ決定的な方法が見つかっていません。しかし,近年になって茶にガンを防ぐ効果のあることがわかり注目を集めています。
 ガンは,ガンの芽をつくるイニシエーションと,それが進んでガン組線にまで成長させるプロモーションという2つの段階を経て起こると考えられています。そこで,各段階でそれぞれ茶の入ったエサと入らないエサをマウスに与えた実験によって,茶の入ったエザを食べたマウスは腫瘍の発生率が低く,腫瘍の増殖も抑えられていることが確かめられたのです。また,茶の成分の一一つであるエピガロカテキンガレートをマウスに与えると,発ガン率が著しく抑制されている事実も判明しました。マウスを使っての研究段階ですが,その成果は大いに期待されています。トップ
茶を飲む人にガンは少ない
 一方,疫学調査も茶の効力を裏づけています。埼玉県立がんセンター研究所が一敗地域住民8553人を対象に1986年から5年間行った調査によると,毎日茶を10杯以上飲んでいる人はそうでない人に比べて善玉のコレステロール値が高く,悪玉のコレステロール値の低いことがわかりました。また心疾患の病率の低いことも判明しました。またガンについては,茶を1日に10杯以上飲んでいる人は日に3杯以下鉄む人に比べてガンの死亡年齢が男性で5歳,女性で7歳高い,つまり長生きしていることがわかり,さらに毎日10杯以上茶を銃んでいる人はすべての年代でガンの死亡率の低いことが確認されました。
 これらの結果から,茶を毎日たくさん飲んでいる人ほどガンにかかりにくいことが推測されます。トップ
●茶でアレルギーを抑える
 花粉症などのアレルギー性鼻炎や気管支ぜんそくなどのアレルギー性状思に悩まされている人がたくさんいます。アレルギーとは体内にできた抗体が外からのアレルゲン(抗原)の侵入を阻止しようとしておきる抗原抗体反応のことです。それがくしゃみや鼻水,頭痛,かゆみなどの症状となって現れます。
 ところがそのようなアレルギーが茶によって抑えられることが判り,注目されています。静岡県立大学の研究者グループによって判明されたもので,アレルギー反応に深く関与している抗体をマウスに注射し茶を投与した後,抗原を注射したところ明らかにアレルギーが抑えられていることがわかったのです。マウスの体重1kg当たり約120mgの茶の投与によってアレルギーが50%抑えられ,この量は人間が通常飲む茶の10杯分に相当します。また,アレルギー治療に用いられる薬(トラニラスト)と同程度の効果があることも判明しました。このことから未だ決定的な治療法のないアトビー性皮膚炎にも茶が効果的なことが十分推測されます。
うがいに使用,風呂に入れても効果的
 アレルギーを抑えるのは,茶に含まれる渋味の成分でもあるカチキンです。ただしカチキンはカフェイン同様胃を刺激する成分でもあるので,一度に大量に飲むのは控えなければなりません。つまり,茶でもってアレルギーを治そうとするのではなく,適量の茶を毎日こまめに飲むことでアレルギーの症状を軽くし,それが薬を減らすことにもつながるというわけです。
 また,茶は飲むだけでなく,うがいに使ったり皮膚に塗ったり,あるいは風呂に入れることでもアレルギーを抑える効果が期待できると,研究者グループは言っています。トップ
●ダイエットには茶
 やせるにはいろいろな方法がありますが,なんといっても運動が一番です。運動をすることでエネルギー源として脂肪が燃やされ,体重の減少へとつながります。そこでジョギングやエアロビクスなどに多くの人が励むのですが,それでもいっこうにやせないと言う人がいます。
 その理由は,脂肪が燃やされるまでに至っていないからです。エネルギー源は脂肪だけに限らず,他にグリコーゲンもあって,運動を始めて30分くらいはエネルギー源としてはグリコーゲンが先に使われ,そのあと脂肪の燃焼が始まります。つまり,脂肪を燃やすまでには長時間の運動が必要なわけです。
カフェインが脂肪を早めに燃やす
 しかし,長い時間運動をするには,それほどの体力がなかったり,あるいは時間的に無理だったりする場合があります。その場合,茶が強い味方になってくれます。つまり,運動をする前に茶を飲めば,エネルギー源として脂肪が優先的に使われるのですが,その役目をするのは茶に含まれたカフェインです。運動をする前に茶を飲めば,それだけで脂肪が早めに燃やされるわけですから,ダイエットにはこれほど楽なことはありません。
 一方,食事のあとに飲む茶もダイエットの役目を果たします。茶に含まれたタンニンが脂肪を分解する酵素の働きを強めてくれるので,油っこい料理の好きな人には特におすすめしたいところです。また,茶はなんといってもノンカロリーです。しかも,コーヒーや紅茶と違い飲む時は砂糖もミルクも必要ありません。ダイエットには最適の飲み物と言えましょう。
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●茶で美人になる
 いつまでも若く美しくありたい。それは女性と言わず人類の願いです。生き生きとした艶のある肌は人を何倍にも美しく見せます。しかし,肌が荒れたり衰えたりすると,シミ,シワ,くすみ,たるみとなって表面に現れます。そのような肌の老化を防ぐには,普段からビタミンAとビタミンCを十分に摂ることが大切です。これらの 成分には肌を美しくつくる働きがあります。茶にはビタミンCはもちろんのこと,体杓に入るとビタミンAと同じ鋤きをするカロチンがたっぶり含まれています。
ビタミンAが肌の潤いを保つ
 ビタミンAには皮膚細胞や粘膜細胞を健康な状態に保つ働きがあります。不足すると肌はカサつき潤いがなくなり,また粘膜も弱ってきます。カロチンは脂溶性なのでお揚には溶け出しませんが,葉のまま食べていれば十分摂取でき,その結果いつも潤いのある肌を保つことができます。
ビタミンCが肌の白さをつくる
 一方,ビタミンCには肌の白さを保つ鋤きがあります。メラニン色素の沈着を防止し,シミやソバカスができるのを防いでくれるのです。特に紫外線の多い季節には積極的にビタミンCを接取することが大事です。その点茶からだと手軽に摂れて,その量は豊富です。特に,愛煙家には積極的に摂っていただきたいと思います。タバコを吸うと体内のビタミンCはニコチンによって破壊され,放っておけば肌は荒れる一方です。そのため破壊された分のビタミンCを外から補わなければなりません。ビタミンCは茶で気軽に接取でき,しかも効果は大です。
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●老化防止には菜が−一番
 老化は誰しも避けられないものですが,同じ年齢であってもある人は10歳も若く見え,またある人は10歳も老けて見えるということがよくあります。
 そのような違いが起こるのは,体内に取り込む酸素と大きな関係があります。酸素は私たちが生きていく上で欠かせないものですが,一方で活性酸素というやっかいな物質もつくり出します。活性酸素にはいろいろな物質と結びついて酸化する性質があり,脂質といっしょになると過酸化脂質という有害な物質を生み出します。
 老化はまさにこの脂質の過酸化によって起こります。現に過酸化脂質が血管に作用すると動脈硬化や血栓痘などの病気となり,他にもさまざまな成人病が起こります。また,過酸化脂質からつくられるリポフスチンは老化色素ともいわれ,年をとるにつれて体内に蓄積するため老化の指標ともなっている物質です。
 そこで,老化を防止するには過酸化脂質をできるだけつくらないようにし,さらに活性酸素の生成を抑えることにあるのですが,それに対抗する,つまり抗酸化作用を持つ成分が茶には豊富に含まれているのです。ビタミンCとビタミンEにその働きがあることは以前からわかっていましたが,最近になってカテキンにも強い抗酸化作用のあることが判明しました。それもビタミンCの10倍,ビタミンEの20倍もあります。また,カテキンとこれらのビタミンとが共存すると相乗作用が起き,個々の働きがいっそう強まることも確認されています。トップ
●茶でコレステロ←ルを下げる
 血中コレステロールや中性脂肪などの血中脂質の増え過ぎは,動脈硬化,大動脈流,あるいは心筋梗塞や狭心症などの虚血性疾忠を引き起こす原因になります。
 対策としては,コレステロールを多く含むものをなるべく摂らず,運動不足にならないようにすることが第一ですが,もっと身近な方法は茶です。茶に含まれるテキンにコレステロール値の上昇を抑える働きがあるからです。しかも,カテキンは悪玉コレステロール(LDL)だけを減少させ,善玉コレステロール(HDL)は減らしません。善玉コレステロールは血管壁などからコレステロールを取り去って肝臓へ回収する体に良い似きをするコレステロールです。
 また,茶に含まれるビタミンCもコレステロールを排出する似きがあり,コレステロール値を下げる役目を果たします。
 コレステロールの摺り過ぎが心配だという方は,日頃から茶をよく銃むようにしましょう。トップ
●糖尿病に効果をあげる茶
 飽食の時代にあって,特に注意したい病気の一つに糖尿病があります。糖尿病は,インシュリンというホルモンの分泌が悪くなり,体内で糖をスムーズに代謝できなくなることが原因で起こります。 普通,私たちが食事として体内こ取り入れた糖質は,主に十二指腸で消化された後,ブドウ糖となって血液中に吸収されます。そして,インシュリンの働きによっていろいろな組織に取り込まれます。こうして各組織は正常に働くわけです。ところが肝心のインシュリンの分泌が不足したり,働きが不十分だったりすると,ブドウ糖が組織にうまく取り込まれず,血液中に残ってしまうのです。そのため血中の糖の濃度が高くなり,ついには尿にまで出るようになります。これが糖尿病です。この状態が長く続くと,動脈硬化や網脈出血などの病気を引き起こします。
カテキンが血糖値の上昇を抑える
 糖尿病にかかったら,血糖値が急激に上がらないようにインシュリンの働きに見合った量の食事をすることが何より大切です。つまり食事制限ですが,その際茶が大きな助けとなります。茶に含まれるカテキンに糖質の消化吸収を遅らせる働きがあるのです。消化が遅れれば,それだけブドウ糖が血液中に吸収されるのが遅れ,その結果急激な血糖値の上昇が抑えられます。糖尿病の血糖降下に,今茶への期待が高まっています。
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●茶で食中寺を防止する
 食中毒は食品中の毒菌に感染したり,あるいは細菌が放つ毒素にょって下痢などの症状を引き起こすもので,ひどいと死に至る場合もあります。
 食中毒を防ぐために力となるのが茶です。茶には大変強い殺菌効果があり,その作用をするのは茶に含まれたカテキンです。食中毒菌としては,ブドウ球菌,陽炎ビブリオ菌,黄色ブドウ球菌,ウェルシュ菌,プレシオモナス菌,アユロモチス菌,ボツリヌス菌,コレラ菌などがよく知られますが,普通に飲む茶の10分の1から2分の1程度のごく薄い濃度の茶カテキンで,これらの菌を瞬時に殺してしまうことが確認されています。
カテキンがピフイズス菌の増埴を助ける
 しかし,これほど茶に強力な殺菌効果があると,善玉といわれる腸内のビフイズス菌まで消滅させてしまうのではないかと心配されますが,カテキンは普通飲むより3倍濃い茶でも,ビフイズス菌に村しては殺菌作用を示さず,それどころかその増殖を助けさえします。反対に,悪玉陽内細菌のウェルシュ菌に対してはその成育を阻止するのです。
 普投から茶をよく飲んでいると,食中毒から身が守られ,その上腸内のビフイズス菌の活動が活発になっていつまでも健康な体を保っていられます。トップ
●高血圧を下げる茶
 日本人に多いのが高血圧です。この状態が続くと,ひいては脳卒中や心筋梗塞,腎臓病などを引き起こすので,普投から正常な血圧値を保つことが何より大切です。
 そのためには塩分や脂肪のとり過ぎに注意し,野菜やタンパク質を十分に括ることです。また,茶に含まれるカテキンは血圧を下げる働きがあるので効果的です。マウスによる実験で,カテキンを加えたエサを食べたマウスは明らかに血圧が下がったのに対し,カテキンの入らないエサを食べたマウスは高血圧のままだったのです。また途中でエザを交換したところ,新たにカテキン入りのエサを食べたマウスは,高血圧がストップして血圧降下の方向へ向かいました。
 他に,遺伝学的に必ず脳卒中になって死亡するマウスを使い,カテキンを加えたエザと加えないエサとをそれぞれマウスに与えた実験では,カテキン入りのエサを食べたマウスは,脳卒中の発症時期が遅れ,しかもその内1割は1週間以上も寿命を延ばすことができたのです。
 では,なぜカテキンが血圧を下げるのかということですが,血中物質から血圧上昇物質をつくる酵素の働きをカテキンが抑えるためだからと考えられています。トップ
●茶で風郷にならない
 私たちが一番よくかかる病気と言えば風邪でしょう。風邪のメカニズムはまだはっきり解明されていませんが,茶に風邪予防の効果のあることがわかり,期待されています。
 茶には風邪に関係ある成分がいろいろと含まれています。ビタミンCは疲労回復に効力を発揮する成分で,茶はこの宝庫です。またカフェインには頭痛をやらわげ,血行をよくし,利尿作用を高める働きがあります。2つの成分の働きは,どれも風邪を予防したり退治したりするには大切な要素です。また,カチキンは,インフルエンザに対して劇的な効果を持ち,インフルエンザのウイルスの働きを弱めてくれるのです。これは大変大きな力です。
 また,茶は喘息や咳に効くことがわかっていますが,これは茶の持つ抗ヒスタミン作用によるものです。ヒスタミンは喘息を起こす成分の一つで,これに対して敏感なのが気管支です。茶を飲むと気管支の収縮作用が抑えられ,ヒスタミンの気管支に対する作用を和らげてくれます。
 風邪にかからないための一番手軽な手段として,茶を十分活用しましょう。トップ
●茶でストレスに勝つ
 現代はストレスの時代と言われ,その解消のためにある人は音楽を聴き,ある人は激しい運動で汗を流し,ある人は飲酒でいやなことを忘れようとします。しかし,もっと身近にあって手っとり早い方法が茶です。茶を飲むとたちまちくつろいだ気分になるのが何よりの証拠と言えましょう。
 私たちの体は外からウイルスなどの侵入を受けると,それを中に入れまいとして必死に抵抗し防御を図ります。このことを抗原・抗体反応,または免疫反応と言い,健康な状態だとこれが活発に働きます。ところがストレスがたまったり体が弱ったりすると免疫機能は低下し,その結果外敵を中に入れてしまうことになります。それがいろいろな病気となって表面化するのです。
茶が免疫機能を強化
 健康を保つためには免疫機能を常に強化しておく必要があります。それに効果をあげるのが茶なのです。実際にマウスを使った実験では,ストレスのみを数日間与えたマウスは免疫機能が著しく低下したのに対し,ストレスと茶の両方を与えたマウスはまったくストレスを与えないマウス同様,免疫機能になんら変化が見られませんでした。このことは普投から茶をよく鉄んでいればストレスに負けない生活ができるということです。
 また,茶に含まれるカフェインの持つ覚醒効果もストレス解消に役立ちます。気分をしゃきっとさせてくれます。さらに豊富なビタミンCも疲労回復に力を発揮します。トップ
●飲み過ぎには茶が効く
 お酒を飲み過ぎてしまった時は茶が役立ちます。茶に含まれたカフェインの持つ覚醒効果によって,大脳皮質が酔いの状態から醒まされるからです。
 マウスを使った実験では,アルコールを与えられたマウスは実験開始後しばらくして運動が緩慢になり,ついには静止状態になりました。ところがアルコールと茶を与えられたマウスは,アルコールを飲んだあといったんは動きが止まったものの,茶を飲むと10分から20分後には再び運動が活発になりました。茶によって酔いの状態が解消されたわけです。
 これは人間の場合にも十分あてはまり,茶を飲むことで酔いが醒め,飲む前の状態近くに戻ります。
茶で二日酔い防止
 二日酔いは,体内に入ったアルコールが完全に分解されず,翌日になっても頭の痛みや不快な気分が残ることですが,お酒が少量なら肝臓の倒きによってアルコールはすっかり分解され,二日酔いが起きることもありません。しかし,お酒の量が多いと肝臓がいくら働いても追いつかず,結果として有害物質のアセトアルデヒドを増やしてしまうことになります。それがこ日酔いとなって現れます。ところが,血液中にブドウ糖やビタミンCが十分にあれば,アセトアルデヒドの分解能力が高まるのです。その点,茶には血液中のブドウ糖を増やす働きのあるカフェインが含まれており,またビタミンCもたっぷりです。これらが相乗作用して,二日酔いをいっそう防止してくれます。トップ
●スポーツ選手と茶
 一時代前までは,スポーツのプレイ中に水分をとるのは良くないと言われていましたが,現在その考えは改められています。プレイ中に水分をとることは必要で,問題はむしろ,いつ,どのようなタイミングでどのような種類の水分をとればいいかにかかっています。その点,茶はスポーツ選手が必要とする栄養素がバランスよく豊富に含まれており,すぐれたスポーツ飲料として高い評価を得ています。主な栄養素をみてみましょう。
 筋肉刺激剤のカフェイン カフェインは別名筋肉刺激剤とも言われます。なかでも茶のカフェインは中枢神経に作用して,その興奮によって疲労が現れるのを抑える働きがあります。また,脂肪の燃焼を促進させ,眠気を醒ます効果も持っています。
 多様な働きをみせるビタミン顆 とりわけスポーツ選手に大切なビタミンB群(1,2,ニコチン酸),ビタミンC,ビタミンEが茶にはたくさん含まれています。ビタミンB1は炭水化物の代謝に関与していて,不足すると食欲不振や疲れやすくなります。ビタミンB2は細胞維持に欠かせません。特に怪我の回復には不可欠です。ニコチン酸は,体重を左右する脂肪分代謝に重要な役割を果たします。また,ビタミンCは体の各機能を有効に鋤かせるのに不可欠です。
ミネラルの不足は命とり
 亜鉛は細胞の回復,成長に重要な役割を果たします。さらに,ナトリウムとカリウムは神経伝達系に作用し,不足すれば反応が鈍くなります。瞬発力を必要とするスポーツでは特に不可欠です。これらのミネラルが茶には豊富です。
歯を強くするフッ素
 スポーツ選手は歯が丈夫であることも−つの条件です。歯が悪かったり弱かったりすると噛み合わせがうまくいかず,力が十分に入りません。その点,茶には抗菌作用のあるフッ素が含まれており,このフッ素が歯を強く丈夫にします。トップ
●茶の字のつくことわざ
 茶が日本人の生活に深く根をおろしていることは,茶の字のつくことわざが多いのを見ても納得いきます。書からよく使われている ことわざの中から代表的なものを挙げてみましょう。
朝茶に別れるな 茶は体にいいので毎朝飲め。
朝茶ほ福がます 朝茶を飲めばその日いいことがある。
朝茶はその日の難逃れ 朝茶を飲むと災難避けになる。
朝茶は七里帰っても飲め 朝茶は体に良いのだから面倒と思わないで飲むほうが良い。
よい茶の飲み置き 良い茶の味は後まで口に残る。
濃い茶目の毒気の毒 濃い茶を飲むと目が牙えて眠れなくなるが,気持ちはすっきりする。
酒は酒屋に茶は茶屋に 物事にはそれぞれ専門がある。
茶柱が立つと縁起がよい 人に話さないで黙っていると良いことがあるという。
茶は水が詮 良い茶を上手に入れるには良い水を選ぷことが大事。
茶腹も一時 茶を飲んでも一時は空腹をしのげるから転じて,わずかなものでも一時しのぎになるの意味。
茶を飲むと色が黒くなる 貴重な茶をあまり飲ませたくない方便。
鬼も十八,番茶も出花 誰でも一生に一度は美しい時期があるもののたとえ。
宵越しの茶は飲むな 出したてのおいしいうちに飲め,−晩も置いたらおいしさを失うのたとえ。
お茶をにごす いいかげんなことでその場をこまかすこと。
お茶の子さいさい ものごとを簡単に片づけるときのたとえ
※「茶の子」茶と簡単な食べものをさし,これで−時の腹ごしらえをする。トップ


上手な選び方

 茶を選ぼうとする時,何を目安にしていますか。おいしい茶を選ぶにはその目安となるものを知っておけば役立ちます。上手な買い物をしておいしく飲むためにも覚えておくと便利です。トップ
●茶の葉
 良い茶の葉を選ぶには,外形,香り,色などがポイントになります。中でも外形が一番大切なのが煎茶や玉露のような揉捻した茶です。どちらも細くて丸味を持ち,光沢があって手触りが硬く,ひき締まっていることが良い葉の条件です。さらに,玉露は一部の菓に「剣」がついているかどうかも重要なポイントになります。剣とは,菓の葉柄の部分が揉まれる内に針先のようになった状態のことで,丹念に揉んである証拠となるものです。最近,煎茶でも深蒸し茶がありますが,十分蒸してあるため葉は揉む工程で細かく切れて粉状のものが多く,色はやや飴色になっています。また,焙じ茶はやや茶色になっているものが良く,番茶は手触りの軽いものが良い葉とされています。
 こうやってまず外見で判断してから,香ばしい香りがするかどうかを確かめ,そのあとできれば試飲して湯の色や味を確かめましょう。トップ
●お店
 今や茶はスーパーマーケットやコンビニエンスストアーでも売られていますが,やはりおすすめは専門店です。試飲ができるので新鮮さが確かめられ,自分好みの茶を選ぶことができます。また,お店の人とのコミュニケーションが持てて,茶に関するいろいろな情報を得ることができます。この場合なるべく商品の回転のいい店で,同じ価格の茶が種類多く置かれている店を選ぶのがポイントです。中には,茶箱等に入れたまま売っている店がありますが,茶の実は光や酸素に触れたり温度の変化によって味や成分が変わってくるので,商品管理の良い店を選びましょう。
 同様の理屈で,1回に買う量は2週間程度で飲みきるくらいの分にとどめ,こまめに買うようにしましょう。また,包装茶の場合は賞味期限や保存方法などの表示項目をまずよく確認してから買うことが大切です。トップ
●産地
 茶を買い求める際,産地名で選ぶ人も多いようです。静岡茶,宇治茶,狭山茶などはよく知られるところですが,これらの地名は各地で栽培された茶の葉が最後に仕上げ加工される,つまり加工産地としてのブランド名です。このブランドはそれぞれ性格が微妙に違いますが,たとえばこの3つの場合だと,大分けして宇治茶はまろやかであっさりとした味,狭山茶は濃厚で火の香りの強い味,静岡茶はその中間,といった具合です。
 この他 全国の茶どころでも紹介したように,わが国では茨城県の大子町,新潟県の村上市を北限として全国各地でそれぞれの気候風土に合った特徴のある茶が栽培されています。これらの産地の味を楽しみ,あるいは比較するのも選択の知恵です。トップ
●用途
 茶を買い求める時は,その用途や飲む人たちの顔ぶれに合わせて種類や量を決めましょう。たとえば,オフィスで使う時は疲労回復や頭脳の働きを活発にする目的から,カフェインの多い煎茶のほうが適しています。家庭でも受験生には同様の理由で煎茶を。反対に,お年寄りや幼児にはカフェインの少ない番茶や焙じ茶のほうが良く,またゆったりとくつろぐ時のために玉露をと,同じ家の中で使うにしても用途によって買い分けるのが理想的です。トップ

茶と水

 茶はおいしい水でいれてこそ,その味が引き立ちます。また,ちよっとしたいれ方で,茶の味はがらっと変わってきます。おいしい水でおいしくいれれば,当然おいしい茶ができあがります。トップ
●おいしい水とは
 茶をおいしく飲むには,水がおいしいことも大切な条件です。なにしろ茶碗に入っている茶の99.6パーセントが水です。水しだいで茶の味も当然変わってきます。
 茶に適した水の条件としては,バランスのよいミネラルと,適度な硬度,Ph,炭酸ガス,酸素を含み,一方で有機物と鉄やマンガンなどの物質が少ないことです。日本の水道水はこれには合格ですが,近年不評を買っている原因はなんといってもカルキ(塩素)にあります。カルキが入っていると,なかなかおいしい茶が飲めません。
かといって,ミネラルウォーターならすべていいというわけではなく,外国産のものの中にはカルシウムが過度に含まれていて,茶には不向きなものもあります。表示をよく確かめてから選びましょう。トップ
●水をおいしくするには
 水道水を使っておいしい茶を飲むには,まず水のカルキ臭さを消すことが必要です。ベストは,2,3分沸騰させてから適温にさまして使うことです。特に水のあまりおいしくない地域では,5分間以上沸騰させたほうが無難です。一方煮沸しない場合は,水を汲み置きしておくことをおすすめします。4,5時間もたてばカルキが消えます。
 また,最近では,浄水器の人気も高まっています。蛇口につけるものもあれば,浄水器ポットといって,自動湯沸かし装置付きの保温ポットタイプのものもあります。この場合でも,2,3回水を沸騰させてから使うのが理想的です。トップ
●茶器を選ぶ
 茶をおいしく味わうには茶器にも気を配りたいものです。葉の特徴に合わせて,茶の味を一番良く引き立てる茶器を選びましょう。
まず,大きさの目安としては
玉露 90ミリリットル入りの急須に,ごく小ぶりの茶碗。 上級煎茶 25ミリリットル人りの急須に,小ぶりの茶碗。
並級煎茶 60ミリリットル人りの急須に,中ぶりの茶碗。
番茶・焙じ茶 どびんに,深く大ぶりの茶碗。
 また,茶器の色も大切です。煎茶だと湯の色が美しく見えるなるべく白磁のものが適します。さらに季節感を出すこともポイントの一つです。「夏涼しく冬暖かく」は茶器選びの基本ですし,できれば新茶を飲む時と,そうでない時などで茶器を変えれば,いっそう味わい深くなります。トップ


おいしい茶の入れ方

 茶はちょっとした入れ方の違いで,びっくりするほどまろやかな味がでます。それぞれの葉の特徴を生かしたおいしい入れ方を覚え,要は自分なりに好みに応じて楽しく飲みましょう。
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●おいしく入れるには
 一般に,熱い湯で茶を入れると渋味の成分が早く抽出して渋味のある茶になります。これは中級品以下の葉か番茶に適します。一方,低い温度でやや時間をかけて茶を入れると,甘味, 旨味がでてきます。これはテアニンといってグルタミン酸の一種ですが,玉露や高級煎茶をだす時に適します。
玉露
 湯を急須に入れ,上茶で35度,並茶で40度位までさましてから茶碗の7分目まで注ぎ入れる。茶碗は玉露用の小ぶりのものを使用。3人で10gほどの茶の葉を急須に入れ,そこにさました湯を戻す。2分間ほど待ってから湯飲みに。2煎目は湯を注いでから30秒ほど待つ。
煎茶
 茶碗に湯を8分目まで入れ,さます。上茶で70度の湯を50ミリリットル,並茶で90度の場を80ミリリットル位が目安。5人で10g程度の葉を急須に入れる。さました湯を急須に注ぎ,60秒位たったら廻しつぐ。最後の一滴まで絞りきるのがコツ。2煎目は湯を入れてから10秒程待つ。
玄米茶
 5人で15g程度の量の葉を急須に入れる。急須に熱湯を入れ,約30秒待つ。廻しついだら最後の一滴まで絞りきる。2煎目は湯を入れて,すぐに湯飲みについでもかまわないが,茶の葉の成分がでつくすので新しい葉に取りかえたほうがいい。焙じ茶と玄米も同様。トップ
●飲み方によって効果が違う
 茶は種類によって含まれている成分やその量が違います。そこで,用途に合わせて種類を選び,その特徽を生かせば,各成分が有効に鋤き効果も増します。
仕事の合間 上級前茶がおすすめです。頭脳の鋤きを活発にする成分のカフェインが上級煎茶になるほど多く含まれています。力仕事やスポーツの前 別名筋肉刺激剤とも呼ばれるカフェインです。それを多く含む上級郎茶が最適です。力仕事やスボーツを始める20分から30分前に飲み,その最中は20分から30分ごとにコップ1杯飲むようにします。
眠気やアルコールの酔いを醒ましたい時 カフェインが多く含まれた上級煎茶が向いています。カフェインの持つ覚醒効果によって眠気が醒まされます。また,カフェインは高い温度の湯でいれた茶のほうに多く入っています。その分渋味が強くなりますが,どうしても眠気を醒ましたい時は,こちらのほうがはるかに効きます。
脂っこい料理の後 焙じ茶が合います。口中のべとつき感が消え,さっばりします。
食後 食後に飲む茶は虫歯菌の増殖を抑えたり,食中毒を予防する成分のカテキンを多く含むものを選びましょう。カテキンは中・上級煎茶に多く入っています。
空腹時 濃い茶は胃を刺激します。番茶や焙じ茶のほうが合います。
寝る前 寝る前に飲む茶はカフェインの少ないものが無難です。それには番茶や焙じ茶がいいでしょう。
お年寄りや幼児に カフェインはお年寄りや幼児には刺激が強く,避けたほうが無難です。煎茶にはカフェインが比較的多く,番茶や焙じ茶のほうが向いています。トップ


茶の保存方法

 せっかくおいしい茶を購入しても,保存方法が間違っていると味は台無しになってしまいます。茶は少量ずつ飲むものだけに,残った分の保存には十分注意を払いたいものです。
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●場所
 茶は温度や光線に変質しやすく他の臭いもつきやすいというデリケートな性格をもっています。そのため保管する時は,涼しくて臭いの少ない,いわゆる冷暗所に置くようにします。また,火の気や暖房から離しておくことも忘れないようにしましょう。茶の変質を防ぐために冷蔵摩に保存することは良いことです。ただし,茶にとつての庫内の適温は5〜10度。出し入れの際温度差の少ない所に入れることも大切です。また,急激に温度が変化すると容器の表面に水滴がつくので,冷蔵厚から出してもすぐに罐を開けず,自然に常温に戻してから使うようにします。トップ
●容器
 できるだけ空気に触れさせないために,10日間分仕を目安に小分けし,密封容器に入れます。冷蔵寝で保管する時は,他の食品の臭いがつかないように茶罐に入れてからビニールテープで密封し,さらにビニール袋に入れると良いでしょう。
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●たくさんある茶製品
 今や茶は,従来の飲むためだけでなく,広くいろいろなものに使われ,姿を変えて市場に出回っています。食べやすいように粉状になった「食べる茶」はもちろんのこと,食品以外のものにまで使用され,用途を広げています。
 たとえば,入浴剤がその一つです。中には風呂用として売られている抹茶もあるくらいです。日本手ぬぐいか天竺木綿でつくった袋に40gほどの抹茶を入れ,お湯につけるだけです。体は温まり肌もつるつるすると評判も上々のようです。この先人気の高まる商品として期待されています。
 また,茶の持つ消臭効果を利用して消臭剤やトイレットペーパーにも利用されています。これらは茶の成分を抽出して,添加することによってできた商品です。
 また,油焼や退色を防止する目的て水産物加工の際の酸化防止剤としても使用されています。
 一方,食べるものとしては,茶そばは今やすっかりポピュラーな食品となり,定着した観があります。他には茶でできた佃煮やふりかけもよく出回っています。
 また,飴やキャンデイなどにも茶は使われています。虫歯予防のお菓子や口臭予防ガムを目にする機会も多いと思いますが,「サンフェノン入り」とか「ポリフェノン入り」と書かれたものがそれです。
 これらは虫歯予防や口臭予防の効果を持つ茶の成分を抽出し,添加してつくられたものです。また,大人用には抹茶をそのまま使ったガムもあります。トップ


茶の利用

 茶は飲むのが主目的ですが,他にもいろいろなことに活用されています。また,茶は古来より贈答品として重宝がられています。どのような折に用いられるのでしょうか。トップ
●食べることで栄養アップ
 茶を入れると,そのあとたいていの人が急須に残った茶がらをあっさり捨てます。しかしもったいないことに,そこには栄養素の多くが残ったままになっています。というのも,茶の成分には水溶性のものもあれば,水に溶けない不溶性のものも,またたくさんあるからです。不溶性成分の主なものには,ビタミンA(カロチン),ビタミンE,食物触維などあり,健康な体づくりには欠かせない成分として知られます。その意味で抹茶は素晴らしい飲みものといえましょう。
 そこで今,見直されているのが,茶を飲むだけでなく,食べようというものです。素材の一つとして料理の中で使えば,豊富な栄養素をそっくりそのままとることができます。食物繊維だけでも,小さじ2杯半分の茶から1日に必要な量の40%を補えるのです。これを利用しない手はありません。ふりかけにしたり,ごはんやスープ,サラダに加えたり,テリーヌやソースの中に混ぜたり,また,鍋物や冷奴で薬味として食卓にのせるのもアイデアです。こうすれば,いっそうすぐれた健康食のできあがりです。
 また,最近では,「食べる茶」として,食べやすく加工された茶も市販されています。茶の葉をそのまま料理に使うのはちょっと抵抗があるという方には,おすすめです。トップ
●冷茶をつくろう
 茶というと,どうしても熱い茶に意識がいってしまいますが、冷たい茶にもなんともいえない味わいがあります。とりわけ夏の暑い時期など,冷蔵寝で冷たく冷やされた茶を飲む時の気分は最高です。そこで,つくり方のいくつかをご紹介しましょう。
水出し用ティーパックを使って まず,水出し用ティーパックを冷水ポットに入れます。水0.5リットルに対して水出しティーパック1袋(5g)が目安です。10分から15分後に,トングか,なければ長箸で水出しティーパックをよく絞ります。湯と違って水だと成分が出にくいため,濃いめに絞るのがコツです。その後ポットから取り除きます。ポットには水といっしょに水を入れるのもいいですし,また,冷蔵庫にしまっておけばいつでもおいしい冷茶が味わえます。
冷水を使って 急須に茶の葉を1人大さじ2杯から3杯を目安に入れます。少し量が多めなのがポイントです。あらかじめよく冷やした水を,茶の葉が浮き上がらない程度に静かに急須に注ぎ,4,5分待ってからいただきます。涼しげなガラス器を使えば,より楽しく味わえます。
氷人りの器に注ぐ 1人前5gを目安に,茶の葉を急須に入れます。60度ほどにさました揚を注ぎ,約1分間待ちます。その間,ガラス器に水を入れておきます。そこに侵出sした茶を注げばできあがりです。トップ
●贈って喜ばれる茶 
 茶は昔からいろいろな場面で贈答品として用いられています。
季節に贈る
1月 お年賀・成人の日のお祝い
2月 バレンタインデー
3月 卒業のお祝い
4月 入学のお祝い
5月 五月のご挨拶(新茶が出た頃)・母の日のお祝い
6月 父の日のお祝い
7・8月 お中元
9月 敬老の日のお祝い
1O月 壷切り(新茶を半年間寝かせたもの)
11月 七五三のお祝い
12月 お歳暮
季箭を問わず贈る
○長寿祝(米寿・茶寿)
○お礼・快気祝い
○お見合い・結納
○仏事(回忌,香典返し,即返し)トップ
●茶をまるごと活用ずる
 茶は飲むだけでなく,他にも暮らしのいろいろな面で利用できます。
茶風呂 最近ハーブのお風呂が人気ですが,茶も同様に入浴剤として使えます。メッシュやガーゼに茶の葉を入れ,沈めるだけで,肌のつやがよくなり,体が温まります。
台所道具の臭い消しに いろいろな臭い取りには茶が働げす。しばらく使わないティーポットだとスプーン1杯の茶の葉をいれておけばかび臭くなりません。フライパンや鍋,まな板などに染みついた臭いも,茶がらで拭き取ればかなり消えます。
塗料の臭い消し 居住部屋や事務室などを塗装した場合,いつまでも塗料の臭いが残ることがあります。この場合,フライパンなどに古茶か下級茶をいぶして煙を部屋中に充満させます。2〜3時間すると塗料の臭いがとれます。
錆を防ぐ 鉄瓶や鉄鍋は鋳がちですが,茶の出がらしでふけばその心配はありません。茶に含まれたタンニンが鉄と結びっいて表面に膜をつくるようです。
掃除に活用 茶の出がらしをバラバラと畳にまいて,あとは掃き取るだけ。畳の目に入りこんだ汚れやゴミまできれいに取れます。絨毯だと,乾いた出がらしをまいてからブラッシングをすれば,つやがでてきれいになります。
茶枕 そばがら同様茶がらも枕に使えます。茶の出がらしを日によく干したのち枕に詰めます。茶の香りがかすかにして,心地良い眠りを誘います。
茶がらの佃煮 佃煮は酒のつまみとして最高ですが,茶の出がらしでも十分可能です。また,出がらしをフライパンで空炒りし,ジューサーやミキサーで粗挽きしてふりかけにしてもおいしい保存食ができあがります。トップ
●茶にもマナー
 茶にもマナーがあることをご存じでずか。といっても,むづかしいことではありません。茶をお出しする相手へのちょっとした心配りといったほうがいいかもしれません。
 まず,茶はよほど親しい仲でない限り別室でいれるのがマナーです。その際茶托を敷くのも作法の−つです。
 お出しする時は,茶碗の正面をまず自分のほうに向け,それからゆっくり回しながら正面の絵柄がお客様の前にくるように置きます。
 この時茶托は出すほうの手に持ち,もう片方の手はそれに軽く添えるだけです。出し終えたら「熱い内にとうぞ」と一言添えることも忘れないでおきましょう。
 また,お客様が長居される場合は,頃合をみはからって前のとは別の種類の茶をお出しすると喜ばれます。最初に煎茶をお出ししたら,次は香ばしいほうじ茶というように変化をつけます。
 ところで,茶はお出しする側だけでなく,いただく側にもマナーがあります。一つはさめない内にいただくこと。いれてくだきった相手への心配りからです。その際,茶碗は一方の手で持ち,もう一方の手を軽く添えると見た目にもスマートに映ります。
 また,一番注意しなければいけないのが口紅です。女性の中には,茶碗の縁に口紅をべったりつけてすましている人を時々見かけますが,これはエチケットに反した行為です。このようなことがないために,常にティッシュぺ−バーを用意しておき,さりげなく吹き取る心づかいを忘れないようにしましょう。トップ

 
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