| 島根の風土と、そこに生きる人々が智恵と技術によって作り、受け継いできた特産野菜。
そこには、恵まれた自然条件に甘えず、手をかけて慈しみながら育てる人たちの愛情が見てとれる。
わさび
全国第五位の生産量を誇るわさびは、美濃郡・鹿足郡を中心として生産されている。
辛味の中に独特の甘味が感じられる風味の良さは、全国的にも高い評価を得ている。
わさびの生育は、自然条件がポイント。栽培には夏でも涼しく、日照時間の短い、標高350〜500メートルの場所が最適とされ、年間を通し12〜15度の豊富な渓流が不可欠なのだ。
これらの条件を満たし生育される特産のわさびは、島根には豊かな自然が残っていることを物語っている。
黒田セリ
古くから松江市の西北にある黒田町一帯の水田で栽培されているセリのこと。
鮮やかですがすがしい緑色で香りも豊か。
よそのものに比べてアクも少なく、やわらかさが持ち味となっている。
この地域では自然の湧き水が豊かで、自生のセリが豊富だったことから、松江藩では農民たちに小川や田んぼでセリを栽培させたといわれている。
鍋もの、吸い物、そしておひたしとして欠かせない庶民の味である。
出西しょうが
簸川郡の出西村(現斐川町)は、江戸時代からしょうがの産地として名高い。
小ぶりながらも、しようが独特の香りが豊かで、独特な辛味と歯応えの良さに特徴がある。
薬味としてだけでなく和え物にしてサラダ感覚で食べるのもおいしい。
また、保存食・常備食にも最適である。
キャベツ
東西に長く、標高差に富んでいる島根県では、その地形を活かして夏は涼しい山間部、冬は平野部の各産地で作られている。
そのため、島根産のキャベツはリレー出荷が可能で、四季を通じて食卓に美味しさを届けることができる。
たまねぎ
斐川町のたまねぎは、光沢があって日持ちがすると、大阪や広島市場で「斐川のみがきたまねぎ」として人気が高い。
出荷の際、選別、皮はぎ、みがき作業と、農家の手作業によって入念に行われているため、美しく、傷のないたまねぎを送り出すことができる。
冬期が比較的低温のため、玉絞まりが良い。
ブロッコリー
主に出雲市平田地区や出雲市佐田町の平坦部で栽培される。
女性たちが真心をこめて丁寧に育てるため、「かあちゃんブロコツリー」と呼ばれる。
また転作田で栽培されるため、柔らかく食味がいい。収稽後すぐに温度を下げて出荷するので鮮度も抜群。
5〜10月の収穫(初夏どり)が多いのも特徴。主な出荷先は京阪神で、品質には定評があり、西日本では5本の指に入るほど。
平成12年度からは出雲市でも栽培を始める。
青ねぎ・白ねぎ
青ねぎは県内で最も生産量が伸びつつある野菜の一つ。
栽培は出雲地方で多く、大部分はハウスで栽培され、地元や大阪方面に出荷される。
白ねぎは主に邑智郡や安来市で露地栽培され、甘味が強いのが特徴。
邑智都産の白ねぎの多くは広島市場に出荷され、出荷量の多い冬には市場の2〜3割を占める。
薬用にんじん
八束町は長野県・福島県とともに薬用にんじん栽培の国内三大産地のひとつである。
その栽培の歴史は古く、約二百年前(安永年間)、松江藩の財政を補う事業として着手したのが始まり。
八束町で生産される薬用にんじんは「雲州にんじん」と呼ばれ、本場の高麗にんじんにならぶ世界の最上級品として、海外でも有名。
粉末にして滋養強壮剤に用いるほか、天ぶらなど郷土料理の一品として幅広く利用されている。
※特用作物とは、加工を施してから消費者に利用される作物。
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