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松江は茶所 和菓子どころ

 松江のお茶の消費量は全国平均の5倍。一世帯あたりの和菓子購買量は、なんと日本一で全国平均の一・五倍といわれ、京都、金沢とならぶ和菓子処。松江市民の生活に和菓子とお茶は切っても切れないものとなっており、「お茶の一杯ぐらい敗んでいくだわね」(お茶の一杯ぐらい飲んでいきなさいよ)という声を聞かない日はないほどです。
 このように日常に根ざした茶の湯の習慣ができたのは、大名茶人といわれ、号を「不昧」と称した松江藩七代目藩主・松平冶郷にならったものです。
 不昧公は、10歳で学んだ石州流茶道をもとに、自らの茶道を完成させました。
 不昧公が家老に指示して建てたお茶所・明々庵、よくお出かけになったお茶室・普門院の観月庵が・今に残っています。
 また、不昧公が参勤交代のおり、江戸の茶文化を持ち帰り、地元で和菓子を作らせたのが松江和菓子隆盛のきっかけとされています。その後、茶の湯が盛んになるにつれ、松江には優美な姿と繊細な味わいを持つ和菓子が続々誕生しました。
 不昧公が茶会に用いた和菓子は『茶事十二か月に』記録されており、春の「若草」、秋の「山川」は松江を代表する銘菓として今に伝えられています。
 しかし、これらの和菓子は明治維新を機に一旦途絶えたものを、古老や茶人をたずね、文献を読み解き、なみなみならぬ努力の末、松江の和菓子職人たちがよみがえらせたものなのです。明治中頃、彩雲堂の初代が「若草」を、風流堂の初代が明治20年頃に「山川」を復活させ、「菜種の里」は三英堂が昭和4年によみがえらせました。
 現在、松江が和菓子処として全国に知られているのは、職人さんの和菓子への愛情のたまものといえましょう、今なお息づく和菓子職人の伝統の「技」と「まごころ」をぜひ、あなたもご賞味ください。

和菓子の豆知識

●落雁《らくがん》
もち米などに砂糖(高級品には和三盆糖を使用)などをくわえて作る「打ち物菓子の一種。松江の落雁の和菓子には『山川』『菜種の里』『姫小袖』『一々斉』などがあります。
●求肥《ぎゅうひ》
白玉粉に砂糖や水飴を加えて練り上げ、餅のようにしたもの。松江を代表するお菓子の一つ『若草』は求肥の上に若草色の衣をていねいにまぶしたもの。お抹茶によく合うお菓子です。
●饅頭《まんじゆう》
蒸し物の一種。松江のお菓子『朝汐』は、上用の皮剥き餡のなかに小豆が入っているのが正式。白いカワは磯に打ち寄せる波を、小豆は岩を表現しています。
●練り物である「餡」のおいしさと、焼き物である「カステラ風のカワ」のハーモニー。明治時代から松江で作られるようになったお菓子です。『錦小倉』『八雲小倉』などがあります。
●羊羹《ようかん》
餡に砂糖を入れ、寒天を加えて煮詰めた「練り物菓子」の代表格。特別にようかんのみをとって「棹物菓子」とも呼ばれています。口当たりをよくした水ようかんもあります。

 
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