| 隠岐に渡ってみると想像以上に島が大きく、けっこう山国なんだなという感想を漏らす人が多くいます。
特に島後は島も大きく山も険しいため、いったん内陸部に入り込むと島というイメージは消え去ります。
隠岐最高峰の大満寺山は標高608メートル。
一連の山塊は急峻で岩場も多く、トカゲ岩や鷲ヶ峰のびょうぷ岩など県下でも第一級の景勝地が見られます。
また植生も豊かで陵線や尾根部にはクロベ、ヒメコマツなどが生育し、林床にはオキシャクナゲが群生しています。
このオキシャクナゲはホンシヤクナゲの一品種で、葉が小さく鉢物などに適し土産物としても利用されています。
またわが国で最も低い場所に自生しているところから、暖かい気候にも耐え栽培しやすいシャクナゲといわれています。
谷奥部などにはスギやモミ、ウラジロガシなどが生い茂り、老木や岩場には地元で「隠岐ふうらん」と呼ばれるナゴランや「ささふうらん」と呼ばれるフウラン、セッコクなどの着生ランが生育しています。
しかし、残念なことに近年は乱獲等のため自生しているものはほとんど見られなくなつてしまいました。
また隠岐の島町布施の中谷奥には、樹令250年以上といわれるスギの巨木林があり注目を集めています。
最近、歩道や展望所が整備されたこともあり、ここを訪れる人が多くなりました。
内陸部の林内には隠岐島固有の種であるオキノウサギやオキサンショウウオ、オキタゴガエル、オキオサムシ、オキマイマイなど珍しい生物が多く生息しており、ヤマネ(天然記念物)やカラスバトも生息しています。
このように大満寺山一帯には優れた自然が残っており、国立公園にも指定されています。
よく隠岐島全域が国立公園の指定区域のように思われがちですが、指定されているのは海岸部と内陸部ではこの大満寺山を中心とする一部だけなのです。
このほか隠岐島は中国地方唯一の黒曜石の産地として知られ、今でも五箇村の一部では土産物の原料として掘り出されています。
この黒曜石はマグマが急激に冷やされ、結晶になる前にガラス状に固まったもので、割れ口が馬のひずめのようになるのが特徴です。
この割れ口がカミソリの刃のように鋭いところから、縄文時代には矢じりなど重要な生活道具として使われました。
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