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【永大たたら】
古代のたたら(野だたら)は、山腹に穴を掘って1回きりの炉にしましたが、近世になって屋根付きの建物(高殿)の中で半永久的な炉を使うようになりまり、これを「永代たたら」と呼びました。

【玉鋼】
たたら技術だからこそ生み出せる純度の高い鉄を「玉鋼」といい、特に・艮質の玉鋼は、すぐれた日本刀の製作に欠くことができない素材。出雲地方は、全国でも有数の玉綱の産地である。

【鉄穴流し】
 たたら製鉄の原料となる砂鉄の採取方法。斐伊川・飯梨川上流域の奥出雲地方から鳥取県日野川流域にかけては、良質の真砂砂鉄が分布していた。花崗岩の風化土を切り崩し、流水を利用した比重選鉱法であるこの採取法は、土砂から砂鉄を選別する優れた方法だったが、下流域に大量の土砂と汚濁水を流下させるなどの悪影響を及ぽした。いつからか下流域の農家との取りきめで、この作業は秋の彼岸から春の彼岸の間のみ行なわれるようになった。

【歴 史】
 島根県南部の中国山地は、風化花崗岩地帯という土質のため、良質な砂鉄が多く産出される地域だ。それを原料に、古くから「たたら」と呼ばれる製鉄が盛んに行なわれてきた。
 その開始は、はるか古墳時代にまでさかのぼることが知られている。この技術はその後各種の改良が重ねられ、わが国の各産業にとって重要な役割を宋たしてきた。江戸時代に「高殿たたら」が完成し、後半の最盛期には島根県を含む中国山地一帯の鉄の生産量が国内総生産量の約八割を占めるようになった。しかし明治に入り西洋の製鉄技術が導入されるにつれ「たたら」製鉄は衰退し、やがてその姿を消すことになりました。しかし鉄の文化の遺産は、現在でもこの地方のいたるところで風土に溶けこむように残っています。この鉄の文化は、神話のなかにも息づいていまも出雲神話は古代出雲人たちの生活や風土が色濃く反映されていることが特徴で、代表的な八岐大蛇(ヤマタノオロチ)神話もこの地方の鉄の風土なくして語れないと言われています。また、鉄という貴重品を作り出す不思議な技術を持つ集団として畏敬を集めた「たたら」の職人たちの周りにもさまざまな神話や伝承が残されて、いまも鉄の歴史はそのまま人類の度史と重なります。「鉄と神話の道〜鉄の道文化圏」は、この地方の鉄の文化を通して人間と自然との遽密なかかわりあいを再発見できるところです。
【たたら製鉄】
「たたら」は、粘土製の炉のなかへ、原料である砂鉄と燃料である木炭を交互に装入し、砂鉄を溶かして鉄の塊を得る製鉄法です。作業は3〜4昼夜にわたって行われ、最終日には炉を壊して炉の底で成長した約4tにもなる鉄の塊「ケラ」を取り出します。
 たたらの操業は、「たたら師」と呼ばれる職能集団によって行われました。たたらの技師長であり砂鉄を装入する「村下(むらげ)」がすべての責任を持ち、村下の指示によって砂鉄を装入し木炭を管理する「炭坂(すみさか)=裏村下」、木炭を装入する「炭焚(すみたき)」、ふいごを踏んで風を炉に送る「番子(ぱんこ)」が一体となって作業をしました。
 良質の鉄を得るためには指示をくだす村下の役割が重要であり、炉から吹き上がる炎の色を読むという一子相伝の技術が必要でした。たたら製鉄は、炎との格闘であリー歩間違えれば炉の爆発もある危険なものでした。その奥深い技術の遺産に触れることは、自然のエネルギーを自分のものにしようとする人間の営みそのものを見つめることに他なりません。
【現代に生きるたたら】
日本刀をはじめとする伝統的な刃物の材料として最適なのは、たたら製鉄でしか得られない玉鋼とされています。玉鋼を必要とする刀匠や刃物殺冶の要請に応えるため、現在でもたたらの技法を使って和鋼を生産している施設が2ケ所あります。
●日刀保たたら
島根県仁多郡横田町大呂
電話0854−52−1010
日本刀の材料となる玉鋼を生産するために、日本美術刀剣保存協会によって昭和52年から年数度の操業が行なわれています。
●現代たたら(和鋼生産研究開発施設)
島根県飯石郡吉田村吉田
電話0854−74−0301
鉄の歴史村づくりの−環として、伝統的なたたらの技術に現代技術を取り入れた「現代たたら」を操業し、和鋼を生産しています。
※どちらも原則として非全開。見学希望の方は事前の許可が必要です。